好きな人とお兄ちゃん

紗凪は結月に
ピシッとデコピンすると



『それが何!
振り向かせたもの勝ちだよ!
まだ彼女じゃないなら誰も傷つけないしさ』

真剣に結月を見つめる。




『………確かに』


結月は笑って
小さな紙を見た。




少し乱暴なその字が
蒼志の手書きだと思うと
その紙すら
結月をドキドキさせた。
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