好きな人とお兄ちゃん
ふと誰かに当たってしまい
『ごめんなさい!』
と振り返った。

『大丈夫ですよ』

濡れた髪をかきあげ
蒼志が笑った。

結月は
濡れて雫が滴る蒼志とその笑顔に
胸がドクンとなるのを感じた。

蒼志が結月をみると
長い髪が頰に張り付き
今にも口に入りそうになっているのに
気が付いた。
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