好きな人とお兄ちゃん
『まじか!ありがとう。
俺、予定あるから結月の事よろしくな。
ちょっと結月、ボーッとしてるから!』
『はい!』
叶月はまたププッとならすと
颯爽と去って行く。
『蒼志くん、叶月くんに信用されてるんだね』
『そうなのかな?』
『そうだよー
俺が送ってくからお前は帰れって言うかと思った』
『言いそうだね』
蒼志と結月は笑い合った。
歩き出すと蒼志は
先程のギクリと感じた気持ちに
戸惑い罪悪感を感じながら
まだ結月の頰の感触が残る自分の指を見た。