好きな人とお兄ちゃん
結月は門限が近づき
先にカラオケを出た。

『また明日ねー!』
と紗凪がマイクで言う。

結月は笑顔で手を振り
部屋を出た。



少し歩くと

カチャッと後ろから
ドアを開ける音と遥希のヘタな歌が
一瞬聞こえた。

振り返ると

蒼志が結月に走り寄る。


『家まで送りますね』

そう言う蒼志に
結月はフルフルと首を横に振るが
『送らせて下さい』
と蒼志が困ったように笑う。

結月も少し困ったが
コクンと頷いた。
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