幸福論
転げ落ちたその子は
表情一つ変えずに立ち上がった。


大丈夫ですなんて言ってたけど、
俺には大丈夫そうになんか見えへんかった。


握られることのなかった手が
急に恥ずかしくなって引っ込めた。


何事もなかったようにお互い再開してんけど、
さっきの彼女の驚きようにに思い出し笑いしてしまって。


ニヤニヤしてる時にロクマルがかかった。



< 104 / 448 >

この作品をシェア

pagetop