幸福論
初めて1人で任された仕事に
多忙な毎日。


いよいよ明後日に全ての結果が試される。


そんな時に届いた紺さんの笑顔で
プレッシャーから気を貼りすぎていた私の心が
溶けていく感覚に陥った。





次の日、最終の準備を終えた私は
志乃や笹上さん、先輩たちとの決起集会を
終えた後、車を走らせた。


着いた場所は迷いもなく、
いつしか癒しの場所になっていた湖。


夜に来るのは初めてで。
どこまでも暗い湖を見渡せる、いつもの場所に
腰を下ろした。


昼間と違い、誰もいない、
シンと静まり返る景色を見つめる。


時折り吹く風は少し冷たくて、
緊張する気持ちを沈めてくれた。


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