幸福論
パッと紺さんを見ると
さっきまでと違って真剣な顔。





「いや、無理やったらええねん!
その、ちょっと、どうかなーって思っただけ.....やし......」

「......会えるよ。」






さっきまでの真剣な顔はすぐに崩され、
焦る紺さんとは対照的に冷静に答えた。






「ほんまに......?」

「うん。紺さんは明日仕事じゃないの?」

「あ、俺もなー、明日は大事な用事があるねん。
終わったら連絡入れるわな。」






何時にお披露目会が終わるかは
分からなかったけど、
紺さんは何時でもいいと言った。



”じゃあ、また明日の夜”



紺さんのその挨拶に
静まっていた心臓がまた鳴り始めた。



家に着く頃には、
すっかり23時を




超えていた。
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