幸福論
ヒルズに戻った私は志乃と一緒に
小森さんのプレートを見上げていた。





「いよいよだね、まこ。」

「うん。」




周りのスタッフは今もなお、
忙しそうに動いている。


半年間の私を見てきた志乃にとっても
今回のお披露目会は感慨深いものらしく。





「今日までよく頑張ったね。」

「うん。」

「絶対うまくいくよ。」

「.....うん。」

「なーんで泣くのよー!」

「...ん”ーー、だってぇ...
志乃だって泣いてんじゃんん!」





プレートの前、大の大人が
ドレスに似合わない涙をこぼしながら
抱きしめ合う。


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