幸福論
本当に今までよく走り続けてきた。


それは私だけの力ではもちろんなくて。


笹上さんをはじめとする先輩達、
遅くまでヒルズを開けてくれた警備員のおじさん。
遅くなると必ず迎えに来てくれた志乃。

まとまらない案を一緒になって
固めてくれた小森さん。

半年間は言葉で表せられないほど濃かった。


でもこれは、
ただのスタートに過ぎなくて。


新店舗がオープンすると
さらに顧客の管理に新商品の買い付けと、
忙しくなるだろう。


それでも任された仕事の
1つの区切りになることには間違いない。





「スピーチ、緊張しないでね。」




そんな志乃の言葉に大きく頷く。


このパーティーの、
この新店舗のための最後の架け橋を
繋ぐ時が来た。
< 131 / 448 >

この作品をシェア

pagetop