幸福論
なんでこんな時にここやねんって思うけど、
ロケは湖のすぐ近く。
嫌でも考えてしまうやろ。


日が暮れる頃、
休憩入っても頭から抜けへん彼女の存在。
めちゃめちゃ惚れてしまってるやん。


気持ちが入ってへんのは分かってるし
このまま悶々とし続けたら
仕事が一番大事な時に何してるねんって話。


とりあえずどっかに吐き出そうと思って
冷静になるために仕事終わりで向かったのはいつもの湖。


夜の湖は久々やなぁ。
昼間見てた景色とは全く違って
別世界に来たような気持ちになる。


釣竿も持たずに来るここに
違和感をちょっと覚えるけど


自然と足はいつもの場所に向かっていた。
大して着込まずに来たけど
よく考えたら肌寒くなってきてる。


この仕事してたら季節の移り変わりなんて
考える間もない。
そうか。もうすぐ冬が来るんや。
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