幸福論
顔を合わせないようにとか思ってたけど
びっくりしすぎて思わず声を出してしまっていた。


静かな空間に俺の声が響いて
まこちゃんの肩がビクッと上がった。


彼女もびっくりしてたけど
俺も相当混乱してた。
だって頭冷やそうと思って来たのに
会うなんて思わんやんか。


しかもこんな時間におるとも思わんし。



そこから
彼女は帰ろうとしてたみたいやけど
俺の横に一緒にまた座ってくれた。



話を聞いていると
明日大事な仕事があるとかで
緊張をほぐすためにここに来たらしい。


おることにもびっくりしたけど
何よりもびっくりしたのは
隣に座る彼女のあまりの綺麗さ。


仕事終わりなんやろう。
腰まである髪は
いつも束ねているから気付かんかったけど
凄くサラサラで。


こんなに長かったんかって思うほど。


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