幸福論
無心で部屋を片付けて
久しぶりにベッドのシーツも洗って
日用品の買い出しに食料品の調達。


仕事が忙しくて出来なかったことを
終わらせていく。


気付けば辺りは真っ暗。
明日からは変わらずまた仕事漬けの毎日。


でもそれは今の私にはちょうど良かった。


立ち止まると思い出すから。


別に始まってもなければ終わってもない。


ただ、嘘をつかれただけ。


それだけなのに
長い人生のたった半年。
それだけなのに


どうしてこんなに苦しいんだろう。
どうして彼のことばかり
思い出しちゃうんだろう。


始まってもいないはずなのに
まるで失恋したような気分。
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