幸福論
次の日の早朝、
夏になって太陽もすっかり登った時間
弟を起こして車に乗る。


向かう先はいつもの湖。


たまには違う場所でもいいんじゃない?
と、同じ湖でもいつもとは違う場所へ向かう。


ただ単に
自分が避けたかっただけ。


そこに広がる青い空と青い湖。


初めて来る場所なのに
やっぱりどこか懐かしくて大きく息を吸った。





「じゃ、俺行ってくるから!
夕方には戻る!」

「はいよ、ちゃんと水分とってね。
それとおにぎり、カバンに入ってるから。
ちゃんと食べてね。」





釣りに向かう弟を見送って
私は1人、車に残った。


家での時間を作れる代わりに
仕事を家に持ち帰るようになった。


まだまだ片付けないといけないものもあったし
車の中で無心にパソコンを叩く。



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