幸福論
意を決して彼女に向き直った時、
時間を見るために
彼女は携帯の電源を押した。


暗闇の中では妙に明るくて


俺の視線も自然に画面に向かった。



そしたらそこには
いつの日か見た綺麗な夕日。



それは間違いなくお揃いの写真。



それは、



紺ちゃんの携帯を覗いた時に見えたのと同じもの。






そういうことなんか。
そういうことやったんやな。



2人は両思いなんや。



直感的に分かった。


だってそれは
今も紺ちゃんの待ち受けにも残るもの。


2人はずっと両思いやったんや。
今も変わらんのや。


1年かけてここまできたのに
最初から俺は負けてたんや。



ううん、同じ土俵にも立ってなかったんや。
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