幸福論
綺麗に真っ赤に輝いてから
太陽が沈むまではほんまに一瞬。


すっかり日が暮れて
その子の知り合いなら挨拶しようと思った時に
見えたのが君の姿やった。


なんでおるん?って感情よりも
その子の知り合いなん?って感情よりも
あぁ。また会えたなって感情が一番に浮かんだ。


君とその男の子は知り合い。
ううん、姉ちゃんやもんな。


初めて会ったあの湖で
俺が彼氏やって勘違いした男の子やったんや。


笑うとできるえくぼも
クシャってなる目元も


懐かしいあの感じは
君とどっか似てるからやったんや。


目がくりっとしてる君に比べて
弟はキリッとしてる。


標準語の君に比べて
弟は関西弁を話す。


全然違うはずやのに
そんな弟にさえ君を重ねてた。
< 242 / 448 >

この作品をシェア

pagetop