幸福論
「でもさ、よく考えると
龍くんと付き合ってもう結構長いよね。」

「そうだよ〜。
3年目の後期プロモート後からだから〜
もう2年近くか。」

「それでもまだ2年なんだ。
ずっと一緒にいるイメージだから
もっと経ってそうに思ったけどね。」



他愛もない会話に笑い
いつしか恋バナに変わっていた。



「でもまこさ、変わったよね。」

「ん、何が?」

「んー、なんだろう、なんかこう丸くなった。」

「嘘ー。なに、私そんな尖ってたの?」




5年前、見るもの全て、
正確には男性全てに牙を向いていた彼女。


それはいつしか無くなり、





「まぁ、もう27になる年だしね」





なんて彼女は笑うけど、
きっとそれは歳のせいなんかじゃない
ってことは分かってた。
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