幸福論
「やほ!」




打ち上げぶりの彼は
たった2、3日しか経ってないのに
げっそりと痩せたように感じた。


モデルのためなのか、
はたまた何かドラマの仕事が入って
痩せなきゃいけないのかと思ったけど


どうやらその可能性は低そう。


だって彼は今にも泣きそうな顔で、
声を掛ける私に笑ったから。





てっきり今日呼ばれたのは
告白の結果を聞くためだと思っていた。


龍は呼ばなくていいの?と聞けば
私だけがいいと言うから


なんだか空気はだんだん重くなって。


どうだった?なんて
とても聞ける雰囲気ではなかった。


最初に口を開いたのは斗くん。


結果がどうであれ、
明るく笑ってあげなきゃって思ってたのに
彼の口から出たことは予想もしないことで。





「志乃ちゃんは知ってたん....?」





なんて聞いてきた。
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