幸福論
打ち上げの後、彼は確かに
まこと一緒に部屋が出た。


斗頑張ってるかなーなんて
龍とも話していた。


まこからもしかしたら夜中に
連絡が来るかもなんて待ってる自分もいた。


だけどその日、
どちらからも連絡が来ることは無かった。





「俺な、告白してへんねん。」




彼のその一言で分かった。


あぁ、上手くいく、いかないの前に
彼は伝えることをやめたんだって。


また次頑張ればいいよ、なんて
言っちゃダメな気がして


黙って頷くことしか出来なかった。


でも、ただ告白できなかったことだけなら
彼はこんなに涙を流さないだろう。


さっきの話からして
少なくとも紺野さんが関係しているのは確か。


黙って聞いていると
彼の目にはまた涙が溜まってきて。





「....まこちゃんと紺ちゃんは両思いやねん。
それもずっと前から。」





そう口にした。
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