幸福論
「なんでそう思うの.....?」




そう聞いても下を向くばかり。


言わないでいいと思ってたけど





「確かにまこは紺野さんのことが好きだった。」

「...............ッ」





言うしかなかった。


顔を歪ませる彼が顔を上げた。





「でもね。でも、そんなの1年も前の話よ?」

「................」

「まだ好きなんて有り得ない。それに......」

「有り得るねん!!」




斗くんは大きな声を上げた。





「やっぱり好きやったんや...
2人は.....両思いやったんや.....」

「両思いって........
紺野さん、まこのこと好きだったの....?」

「....ほんまに志乃ちゃんなんも知らんのやな。」




そう言うとまた静かに涙をこぼした。
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