幸福論

わけが分からない。
紺野さんもまこのことが好きだったなんて
都合がいいにも程がある。


あの時、彼は平気で彼女に嘘ついて
目の前に平気で現れて


勝手に好きにならせといて
勝手に彼女の気持ちを弄んどいて


自分も彼女が好きでした？


許されるわけがなかった。





「....根拠はあるの？
２人が両思いだって証拠、あるの？」





でも、もしそれが本当なら
紺野さんもまこのことを好きだというのが
本当なら


私は一度彼に話そう。


そう決めた。




でも斗くんから返ってきたのは
期待してたものではなくて






「.........夕焼け」





たった一言のそれだけだった。