幸福論
まずは仕事。




「....あ、お久しぶりです。
飯田志乃です。」

「ふふ、知ってます。
龍の彼女さんやんな。
これからよろしくお願いします!」




久しぶりの彼は変わらず穏やかで
さっきまでの沸々と上がる感情が
冷めていくように感じた。


ちゃんと面と向かって話すのは初めてで、
それでもどこか親しみやすさがあって、


すぐに意気投合することができた。


少し子どもみたいな話し方に
屈託のない笑顔。


ほんとにすぐ笑うから
今のどこが笑うポイントだったんだろう、
とか思うのもしばしば。


飾らない彼を見て思った。



あぁ、この人は自分の感情をちゃんと、
まっすぐに、出す人だって。


きっと嘘なんて
つけないんじゃないかって。
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