幸福論
今だって差し出した資料を見て
百面相している。


きっと彼は自分では気付いていない。


龍や斗くん達とはまた違う、
独特な良さが彼にはあった。


そな彼にまこも惹かれたんだ、
彼だから好きになれたんだって


納得した。



だから私は賭けに出た。
今思えば、試すようなことをして
申し訳なかったけど。


どうしても真実が知りたかった。





一通り今後のことを話し終え、
片付け始める紺野さんに聞いた。




「紺野さんって、釣り好きなんですよね?」

「そやで〜。
最近は行けてないけどなぁ。」

「実は私も好きで!」

「え、まじで!?えー待って嬉しい!」




嘘、こんなの嘘。
釣りなんて一度も行ったことがない。
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