幸福論
「そっか。
私も釣ってみたいなぁ。」

「また今度、龍連れてみんなで行こうや!」




私は見逃さなかった。




「じゃあその日が
私のロクマル記念日になりますね?」

「え.......あぁ、そやな。」






曇った顔が
だんだん困った顔になるのを。




ロクマル記念日。
これはきっと
2人にしか分からない言葉。


分かりやすく動揺する彼が
その全てを語ってる。


だってそれはその日を迎えた二人にしか
来てない記念日。


ただロクマルを釣っただけの日じゃない
ってことぐらい
彼も分かってるだろう。


私にとったらただ
ロクマルを釣った日なだけだけど。


2人にとってそれは


とっても特別な日。


さらに気付いた。
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