幸福論
「ヘラヘラ目の前に現れて
あっさり半年間のことなんか無かったようにして。」

「....................」





あまりにも正しすぎる彼女の言葉に
返す言葉がなかった。

100%俺が悪いから。





「でも、もう遅かったんです。」




その言葉にもう一度顔を上げた。





「ただ忘れられないとかじゃないんです。
もう...あの子が紺野さんがアイドルだって
気付いた時、
あの時には取り返しのつかないぐらいに
紺野さんのことが好きになっちゃってたんです。」

「.....嘘や.....嘘や嘘や嘘や.....!」

「ほんとです。」





彼女も俺のことが好きやった....?
それもずっと前から....?


嘘やそんなん。


始まってもないと思ってて
彼女の中での俺の存在があるのかも不安やったのに


< 270 / 448 >

この作品をシェア

pagetop