幸福論
「......まこが紺野さんに出会う前の話です。

あの子は....._____________」





あの日から毎日思い出す、
志乃さんから話された彼女の過去。


いや、過去じゃなく今もか。


それは誰も想像できんことで
気付かんかったこと。






「私が話せるのはほんの一部です。
あとは本人に...本人と話せる日が来るといいですね。」





この話を聞いて何も思わなかったかと言われれば
それは嘘になる。


相当びっくりしたし言葉が出んかった。


同情も.......もちろんした。


俺に出来ることなんて0に等しいし
今はそばにおることもできひん。


でも、彼女は待っててくれてる。





「.....紺ちゃん、ちょっといい?」





楽屋で一人、
みんなとの会話に入らず、


帰る準備もせず考えていた。







「え、あ、うん。どうしたん。」






そんな俺に斗が声をかけてきた。




「紺ちゃんにな、話したいことあるねん。」




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