幸福論
「そうや!準備!してくれた??」






キラキラとした瞳は父親譲りの切れ長の一重。






「うん、そこに出しておいたよ。」

「ちょ、雑やねん〜〜!
大事にしてってあれほど言ったやん!」

「じゃあ自分の部屋に置いてよ。」

「嫌やー!部屋狭くなるもん!
いいやんかぁ。
こんな無駄に広い部屋におるんやからぁ」







それでも5つ離れた弟は可愛いもので、
ついつい甘やかしてしまうんだ。







「あ、そうだ静哉。これあげる。」







そう言って渡したのは







「え!ええの!?」







昨日買った新作のキャップ。
展示会やレセプションに行くと
必ずと言っていいほど静哉に何か買っている気がする。







「今日被ろっと!!ありがとぉ!!」







こんなに喜んでくれるなら
また買ってあげたいと思うんだ。
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