幸福論
第4章 再び動き出す

〜斗〜

「俺な、ほんまは告白なんかしてないねん。」





ずっと紺ちゃんに謝りたかったこと。






紺ちゃんとまこちゃんが両思いやって
知った時、


醜すぎる感情が俺の中を疼いた。


そんなはずないって思いたいのに
現実は痛いほど突き刺さって


両思いって分かってへんからやろうけど
何も行動せんところとか


何もなかったようにヘラヘラしてるところとか


まこちゃんもまこちゃんで
好きやのに自分でも自分を抑えてるところとか


すっごい嫌やった。


だから紺ちゃんに告白したなんて嘘をついた。


それやのに紺ちゃんは
そうなんやって言っただけ。


興味ないん?
もっと気にならへんの?


ってめっちゃ思った。


でもそれ以外返ってこんくて
嫉妬もせんの?って
悔しくてまた泣いた。
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