幸福論
「オッケー。よし、行こか!」




満足したのか彼はまた、
サングラスをかけ直した。


ベラベラと喋りながら歩く彼を見て
こんな白昼に
堂々と歩いていいものかと不安になる。


でもきっと彼は気にしていない。


いつの日か、言ってたことを思い出す。


”俺らは普通のアイドルじゃないねん。
お茶の間に寄り添ってんねん。”


その時は意味が分からなかったけど
今なら分かる。


芸能人ぶらないし
仕事が忙しくなっても態度は変わらない。


それに街をこうして普通に歩く。


それが彼らの良さであり
人気になる理由なんだろう。




そうこうしてカフェに着いた私達は
冷たい飲み物で喉を潤わせた。
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