幸福論
やいやいうるさい静哉に







「てか、なんで毎回私も一緒に
行かなきゃダメなの?」







冷静な疑問をぶつける。







「決まってるやん!車持ってるから!」







満面の笑顔は目が無くなるほどで
毎回私は頷いてしまうんだ。







「はぁーーー。」

「あ!ため息!幸せ逃げるで!」








本当に大学生なのかと
聞きたくなるようなことを言う静哉に
半ば呆れつつも早朝6時半に
私達は家を出た。







「.......で、今日はどこですか。」

「ちょ、テンション低い!」

「わーかったから!ボリューム下げて。」









嬉しそうな静哉に私の気持ちも
なぜかだんだん前向きになる。








「今日もいつもの湖でお願いします!」

「はいよ。」
< 30 / 448 >

この作品をシェア

pagetop