幸福論
『えっ、ちゃうちゃうちゃう!
ちゃいますよ!まぁその子とね、
ただ月を見て帰っただけなんですけど。」
少し間が空いて彼は慌てて答えた。
嘘をついた時の彼。
彼は嘘をついた時、しきりに前髪を触る。
それは何度か見たことがある。
いつかのことを思い出しそれが癖だと気付いた。
テレビ関係の仕事だって言った時も
好きな芸能人の話の時も
今だって、
慌てたように前髪をいじる。
きっと今も嘘をついた。
ううん、絶対。
だって彼のロクマル記念日に一緒にいたのも
たまたま会ったのも
一緒に月を見たのも
私だもんね。
ちゃいますよ!まぁその子とね、
ただ月を見て帰っただけなんですけど。」
少し間が空いて彼は慌てて答えた。
嘘をついた時の彼。
彼は嘘をついた時、しきりに前髪を触る。
それは何度か見たことがある。
いつかのことを思い出しそれが癖だと気付いた。
テレビ関係の仕事だって言った時も
好きな芸能人の話の時も
今だって、
慌てたように前髪をいじる。
きっと今も嘘をついた。
ううん、絶対。
だって彼のロクマル記念日に一緒にいたのも
たまたま会ったのも
一緒に月を見たのも
私だもんね。