幸福論
事情は聞かない。
その後帰ってきた両親にも
何も言わずにいてくれた。


それから信じられる男の人は
静哉とお父さんだけになった。


あの時、2人の男は確かに言った。
胸がないと気持ち悪いって。


男性はみんなそうなんだ。


胸が小さいどころか、ない私は
女としても人としても見てもらえない。


それを理解した時ふと思った。


あぁ、胸が無い私は女じゃ無いんだって。


それからはただ淡々と生きた。


大学を卒業し就職を東京ですると決めた。
両親の反対を押し切り家を出た。


それでもやっぱり優しい両親だから
最後は応援してくれた。


私は恋愛なんかしない。
そう生きていくと決めた。


悪魔の23時が、出来上がった。
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