幸福論
「あ、おーい!!紺ちゃーん!!」




遠くから俺を呼ぶ声。静哉や。


彼女の弟ともすごい仲良くなった。
ロクマルを一緒に釣る約束も忘れてない。


何回か釣りに行ったけど
まだ釣り上げてないんや。


でもいつか絶対
今までで一番おっきいのを釣ろなって決めてる。


そんな彼も社会人。


彼も東京に出てきて
まこのマンションの近くに住んでる。


優しい弟やから
きっと姉ちゃんのそばを選んだんやろう。




「あれ、まこはー?」




そんな静哉の肩に腕を回す斗。


俺とまこが付き合ったことを知って
一番喜んでくれた。


でも呼び捨てしてると知った瞬間
俺もする!となぜか駄々をこねてまこって呼んどる。


全ては斗のおかげやから
感謝しても仕切れへん。



斗、俺証明したで。
釣り人は一途やったやろ?
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