幸福論
打ち合わせ場所は都内のおしゃれなカフェ。


送ってくれたマネージャーは
今日の打ち合わせには参加しないらしく
忙しそうに帰ってしまった。


店内に入った俺が通されたのは
カフェには珍しい個室。


こんなカフェに個室なんてあるんや、
なんて呑気に考えながら靴を脱ぐ。





「失礼します。」





そう言って襖を開けた俺に気付いた1人が立ち上がった。



立ち上がり挨拶する人は
紛れもないあの日の彼女で。





「お久しぶりです。」




可愛らしい笑顔を見せてくれた。
部屋には新藤さんしかいなくて、





「お一人ですか.....?」




こんなことを聞いてしまう。





「あ、今回は私がプロモートを担当していて.....」





どうやら新藤さん1人で担当するらしい。
見た目年齢的には自分とそう変わらんはずやのに
あまりにもしっかりしているその姿は
すごく大人びて見えた。
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