幸福論
それから始まった打ち合わせでは
主に新作商品のコーディネート案の提示。


どんな感じが好きか。
はたまたどんなテイストに挑戦してみたいか。


俺に合わせてたくさんの案を出してくれる彼女は
あの日、、、あのパーティーの日みたいに
目が合わへんって感じる瞬間は無かった。





いい具合に緊張も解けて、
余裕を持って話せるようになった頃、
ふと彼女を観察してみる。


髪型はパーティーの時と違って下ろしてる。
意外に長いねんな。
あの時は上げてたから気付かへんかった。


腕にはシンプルな腕時計。
それでも高級なんやろなーとかぼーっと見る。
時々チラチラと時間を気にする彼女に凄い似合ってた。


服はテーブルを挟んでいるから下まで見えへんけど、
かなりオシャレなんやろなっていうのが伺える。


ファッション関係の仕事なだけあって、
提示してくれるコーディネート案も
それもドンピシャやった。





「ではこちらで以上になります。」





そうして打ち合わせが終わった頃には
23時を回っていた。
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