幸福論
それからしばらく
過程的なことを聞いた。


あの日のパーティーが終わって、
あと残すは一般公開のお披露目だけって時。



吉井さんと会うのも最後かなって
思っていた矢先、
連絡先を聞かれたんだって。


何度か仕事をしているから
デートするに至るには
そんなに時間もかからなくて。


ごく自然に2人は結ばれた。





「まこはさ、」




遠慮がちに開かれた彼女の口。





「彼氏とか...作らないの?」





そう聞かれた私は
さっきまでの勢いはどこに行ったのか





「私は.............





いいかな。」




「そっか。
私はいつでも味方だよ。
なんならまことの約束を優先するからね。」





勢いを失った私に
志乃は優しく微笑んでくれた。








私は、これから先も






彼氏は作らない。





男友達もいらない。
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