大嫌いの裏側で恋をする
「あの……!」
ひたすら頭を撫で続けてた俺の手に触れ、力を入れて押しのけてくる。
から、俺は少し不服な声をあげた。
「なんだよ」
「ちょ、ちょっとですね、あの! 女慣れしたイケメンのスペックに追いつけてないので、は、離してください!!」
睨まれても。
またもや可愛いとしか思えない。
(……なんだこりゃ)
仕事中っていう理性が、たったひとつ欠落するだけで。 こうも思考回路はボケるのか。
「ふーん、まあよくわかんねぇけど、早く追いついとけ」
「適当!」
「あー、はいはい、いいよ適当で。 んで、どうする?」
これ以上からかってても、なんなら自分の理性と欲の小競り合いみたいになりそうだから話題を変える。