大嫌いの裏側で恋をする
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「おはようございます」
「おう、なんだその変な顔」
自然と力んでしまってた私は、高瀬さんいわく変な顔だったらしい。
ついでに、やっぱちょっと気恥ずかしかったり。
社内に彼氏できちゃうって、こんな感じなのかぁと、今更思う。
「別に。高瀬さんは、なんか、朝からモテてたようで」
「……お前なんで知ってんの?」
「更衣室で何人か騒いでましたから」
「怖ぇーな、女は」
そのまま黙って席に着き、パソコンを起動させる。
「おい、言っとくけどちゃんと断ってるぞ」
顔を寄せてきて、こそっと耳打ちされる。
「し、知ってます!」
「何赤くなってんの?」
「制服! 長袖になったから暑いんですよ!」
ブラウスをパタパタとわざとらしく煽がせてしまう。
すふと、ぷぷっと、高瀬さんが吹き出した。
だって仕方ないじゃん! まだ接近されると無理なんですよ! 恥ずかしい!
しかも、高瀬さん急に距離詰めてくるから心臓がもたないんだっての。
「そうか、そりゃ大変だな」
「ちょ、それは、寒い! いりません!」
からかうように、うちわで煽がれて睨みつけてると。
「楽しそうだね」と、穏やかな声が聞こえてきた。