大嫌いの裏側で恋をする


「もしかして朝から賑わってる噂?」
「違うし。 先週、言われた。 あんたのこと好きだからお前とは付き合えないって、ハッキリとね」
「……え?」
「何がムカつくってさぁ、別に女くらい俊平くん、いつもいたし? それはいいんだよね、奪えば済むから」

……強い。
間宮香織ほんと強い。
感心してる場合じゃないのに、ぼけっと聞いてると案の定。
聞いてんのかよ! って怒鳴られた。

「聞いてるよ」
「ここ1年付きまとい続けて、ハッキリとフラれたの初めて」
「…………うん」
「なんか、あたしが来たせいであんたのヤル気に火つけたみたいで、くっっそダルいし」
「……その通り過ぎて、はい」

私たちの様子に遠慮しながら、店員さんが静かに頼んでたランチを置いていってくれる。
その店員さんにペコっと頭を下げてから。

間宮香織にも謝る。

「ごめん、それと、グサグサ言ってくれてありがと」
「はあ?」

サラダをパリパリ食べながら間宮香織が驚いた声をあげる。

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