大嫌いの裏側で恋をする

そっかそっか、と頷き頭を撫でられる。

吉川さんの切れ長で奥二重の瞳が優しく細められた。

いつもは、キリッとした印象の彼女の瞳がこんな風に優しくなると、どこか私はホッとして安心してしまう。

「よし、じゃあ次の合コンはアンタも一緒に行くよ!」

いい男揃えさせなきゃね~! なんて指をポキポキ鳴らす姿に声を出して笑った。

目の前の笑顔と、週末の出来事と。

それらが悠介を消してくみたいに、私の中の想い出は薄くなってく。

弱くならない為に、必死みたい。

私を傷つけるものから逃げることに、

必死みたい。

やっぱり、私は、私。
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