大嫌いの裏側で恋をする
その後、並んで歩いて近くの洋食屋に行って。
私の希望通り、ハンバーグを食べた訳だけど。
もちろん記憶は曖昧なほどに緊張してて。
ただ、帰り際レジで。
『ああ、付き合わせたし俺が出す』
……なんて。
有無を言わせず、お会計済ませされちゃったりして。
別に、男の人に奢られるのとか今更いちいちドキドキしたりしなくていいのに。
大学の頃なんて、脈アリかなナシかな?って。
判断する程度のものだったのに。
……なんて。
過去の自分を少しだけ思い返しながら。
その時、ふと見上げた高瀬さんの横顔。
高鳴っておさまらない鼓動。
見惚れてしまってた自分。
それらだけは。
深く頭に刻まれていた。