大嫌いの裏側で恋をする
ふ、と。
部屋が少し明るくなった気がして窓を見た。
隙間から、少しだけ光が射す。
夏は、陽が昇るのが早いんだよね。
とか、わかりきったことをぼんやり考えて。
夜が明けようとしてるのに。
私の心は逆を行く。
さっきから噛み締めた唇が、痛い。
同じくらい、心も痛い。
変わりたいと、踠いていたはずなのに。
どうしてこうなるんだろう。
結局、大嫌いな自分。
口の中に広がった、鉄の味。