あの宙に舞って逝った一枚の羽。
…………幸せそう。こんな美波の顔見た事ないよ。本当に羨ましい……。私の恋なんて叶いもしない。神様は不公平だね。

ポタッ……。

「え!?み、美玲どうしたの!?大丈夫!?」

「あ、え……?」

「美玲、今泣いてるよ……?」

え……?嘘……、こんなことで泣くなんて私らしくない。何で?言葉で表現出来ない。この気持ち、なんて言えば良いんだろう……なんて言うか、『苦しい。』

「美玲……?美玲、今私、美玲が何を抱えてるのか、どんな気持ちでいるのか分かんない。どうして、泣いてるのか、聞かせて欲しい。」

「……っ、ごめん…っ!ごめんね…、ごめんね。美波……!私……っ、私ね……。」

こんな事、美波に話していいの……?いいや、いずれは分かる事。でも、話さなきゃ、前に進めないよね。でもまだ……。

「……ごめんね。まだ、話せそうにないや。」

「そ、そっか。良いよ!また、今度話したい時に、相談してね。」

美波は優しい。強い。でも優しすぎるから、私が弱すぎるから。聞けないんだ。ごめん。ごめんね。美波。

「本当に、ごめんね。」

「ううん!あっ、てかもうこんな時間だ!もう帰るね!バイバイ!」

「うん。バイバイ!」
< 18 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop