あの宙に舞って逝った一枚の羽。
お母さん、泣かないで。お願い、そんな悲しい顔しないで。今まで女手一つで育ててくれたお母さん。そんなお母さんに恩を仇で返す事になるなんて思いもしなかった。

病気が既に進行し始めていたので私は入院する事になった。



と言っても、何もすることないんだけども……。たまに検査はあるけど検査以外にすることないんだよね、食べて寝るだけ。やっぱりこんな生活つまんない。普通にいつも通り友達と恋バナとか、くだらない話で笑ったりしたい。

「はぁー、暇すぎる。病院内でも散歩してみようかな……」

そう言って私が病室を出ようとした時ーー

ズキッ…

「うっ……」

背中にかすかな痛みがはしった。


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