あの宙に舞って逝った一枚の羽。
私が落ち着いた頃に、お母さんは私に言った。

「あ、そうそう。さっき菫が倒れた時に運んでくれた人、後でお礼言っとかなきゃね。」

あ、そう言えば。

「誰が運んでくれたの?」

「ここの病院の先生って言ってた気が……」

へぇー…、ここの病院の先生か。でも、なんであんな人がいないところに……?

「お母さん、その先生何科?今からお礼しに行ってくる。」

「確か内科って言ってたけど、でもまだ具合悪いんだから行っちゃダメだよ!」

「でも、せっかく助けてくれたのに……。」
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