CHOICE
自転車に乗った高校生とすれ違う。
いつもより辺りは少し明るい。
体を通り抜ける冷たい風に身を震わせながら待ち合わせの居酒屋へ急ぐ。
店へ踏み入れるとおでんの匂いと賑やかな話し声が押し寄せてきた。店内を見渡したが、私を呼び出した人の姿はまだない。麦茶を頼んでインスタグラムをチェックする。居酒屋のサシ飲みを投稿するのはありだろうか。まぁ、あいつが来てからにしよう。
「愛海。」
ふりかえると、大好きな人がいた。
「龍星、、久しぶり。」
「遅くなってごめんな、長引いちゃって。」
「全然いいよ、おつかれ。なにか飲む?」
「ビールにしようかな。愛海は?」
「私は梅酒ソーダ!」
じゃああとはてきとーに頼むぞ?」
「ありがとね。」
龍星が注文してくれている間、私は龍星の横顔をぼーっと見つめていた。





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