独占的メルティー
「....だって、おれ、成海と目合わない」
「それはおまえがすぐ逸らすからね」
「.....成海、おれに笑ってくれない」
「.....んー、緊張してるんじゃない?」
「なるみ、きょうもかわいかった.....はー、かわいー」
「.....それ本人に言えば?」
なるの話になると途端に声がやわっこくなって、普段死んでる顔つきがうそみたいに表情豊かになる。
まあ要するに、儚げに揺れる琥珀色の瞳にかくれた王子さまは、ぜんぶつくりもの.....ってこと。
「....いっかい"かわいい"とか言ったら、上限なくなりそうでこわい」
「別にいんじゃなねーの?かわいいって言われてヤな女とかいる?」
「..........、おれが可愛いって言ったら、成海、よろこぶ?」
こてん、とあざとく首をかしげた拍子に、色素の薄い髪がさらりと揺れた。
......ほんと、何やっても様になることで。
「.....さあ。引かれるかも」
「ね、あんまいじめないであげれば?....あ、ほら」