独占的メルティー
テンポのいいかろやかな掛け合いに、くすりと笑みがこぼれる。
「おはよう。栞ちゃん、紬ちゃん」
「なのち、おはよ」
「おはよ、菜乃」
ぱんっ、と小さくハイタッチを交わしたあと、ぎゅうっと抱きしめられるのはもう日課のこと。
筒川 紬(つつかわ つむぎ)ちゃん。
ほんのりとピンクがかったブラウンのロングヘアーに、152cmという小さめな身長、そして愛嬌のあふれた顔立ち。
にこっと笑ったときにできるえくぼと、ぷっくりと浮かびあがる涙袋がびっくりするくらいかわいい、THE守ってあげたくなる女の子。
「んん、なのちの香りすき~」
「ありがとう。あ、紬ちゃん香水変えた ....?」
「っ、わかった....!?そうなの、ずっと欲しかったブランドの香水買えたの....!」
ふんわりと香るベリー系の香水。
ほんのりとあまい匂い、でもしつこさはなくて、紬ちゃんにぴったりな香りだなあ。
それを伝えると、紬ちゃんはふわりと微笑んでくれた。