独占的メルティー




テンポのいいかろやかな掛け合いに、くすりと笑みがこぼれる。



「おはよう。栞ちゃん、紬ちゃん」


「なのち、おはよ」


「おはよ、菜乃」



ぱんっ、と小さくハイタッチを交わしたあと、ぎゅうっと抱きしめられるのはもう日課のこと。




筒川 紬(つつかわ つむぎ)ちゃん。


ほんのりとピンクがかったブラウンのロングヘアーに、152cmという小さめな身長、そして愛嬌のあふれた顔立ち。


にこっと笑ったときにできるえくぼと、ぷっくりと浮かびあがる涙袋がびっくりするくらいかわいい、THE守ってあげたくなる女の子。



「んん、なのちの香りすき~」


「ありがとう。あ、紬ちゃん香水変えた ....?」


「っ、わかった....!?そうなの、ずっと欲しかったブランドの香水買えたの....!」



ふんわりと香るベリー系の香水。


ほんのりとあまい匂い、でもしつこさはなくて、紬ちゃんにぴったりな香りだなあ。


それを伝えると、紬ちゃんはふわりと微笑んでくれた。



< 14 / 30 >

この作品をシェア

pagetop