独占的メルティー
「なのちのそうやってなんでも気づいてくれるところ、だいすきっ」
再びにっこりと微笑んでくれる紬ちゃんに、つられるようにふにゃ、と頬がゆるむ。
「....わたしもだいすき」
紬ちゃんのキャラメル色のカーディガンの裾をぎゅ、と掴みながら、控えめに微笑んで見せた。
「....ん゛ん、はあ~かわ、」
「んはわ、....?」
「菜乃、紬は放っておいてだいじょうぶ」
隣からぽん、と肩をたたかれて、顔を向ければあきれたように微笑を向けられる。
ひゃあ〜っとなにやらジタバタしている紬ちゃんを横目に見ながら、かわいいのカジョウセッシュってやつだよ、……と。
「かじょう、.....、?」
「菜乃がかわいーってハナシ」
ふふ、と口元に綺麗な笑みをのせて、やさしく頭を撫でてくれる。
アッシュベージュに染められた髪は、ふんわりとしたショートヘア。たびたび髪の隙間から現れるシルバーのピアスと、瞼を彩るブラウン系のアイシャドウがとっても似合う彼女は────近木 夏夜(ちかき かや)ちゃん。