独占的メルティー
「おまえはもっと人としての礼儀学んだ方がいーよ。いつか痛い目みる」
「ひど。つーか、ななには言われたくない。おまえ女にくそ塩対応のくせに」
「....へらへら愛想振りまくよりはマシ」
にこにこスマイルなみや先輩とは対局と言っていいくらい、つん、とした無表情を浮かべるのは、なな先輩─────七和浬先輩。
なな先輩はこの学園の書記を務めている。
さらりと揺れるブラウンの髪、そして左耳には赤いピアス。
非の打ち所がないほどにキレイな顔立ち、.....はあまり変化がなくて、無表情なことが多い。
目尻のあたりできゅ、とすこしつり目がちだから、一見近づきにくそうに見えるけど、ぜんぜんそんなことはなくて。
「.....あ、成海。きのう送ってもらったPDF修正終わったから」
「っえ、なな先輩が....って、でもあれ、わたしがやるはず、」
「この前おれの仕事手伝ってくれたお返し」
表情はいたって無表情のままだけど、声色は柔らかさを含んでいる。
....やっぱり、やさしいひとだなあ。