独占的メルティー
「....ありがとうございます」
こぼれた笑みを向けると、なな先輩も微かに口元をゆるめて、そのまま手を伸ばす───────
「....?」
頭にふれる寸前で、ぴたり、手を止めたなな先輩。
みや先輩となな先輩と向かい合うように並んでいるわたし....の後方に視線をむけて、ため息をひとつ。
.....、どうしたんだろう?
首をかしげてしまうわたしに、なな先輩は誤魔化すように視線を避けられて、その隣ではみや先輩がくつくつと喉を鳴らして笑っている。
「じゃあ、えっと、失礼します....?」
状況はあまりわからないまま、先輩たちにぺこりと一礼したあと、部屋を出たのだった。